2025年度の子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種について
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)のキャッチアップ接種の経過措置が昨年度で一段落となりました。
今後は、小6(11/12歳)から高1相当(15/16歳)のお子さんが公費助成の適応で、高1相当のお子さんは3月までに3回接種を終了しないといけなくなります。
ここでいくつか注意点があります。
キャッチアップ接種のおかげもあり現在高2相当(16/17歳)のお子さんの接種率が55%まで到達したと言われています。2人に1人以上が接種しています。一方で同時期の高1相当(15/16歳)のお子さんの接種率は35%程度と言われています。3人に1人となります。キャッチアップ接種が終了後した今、この接種対象最終年度のお子さんたちの接種率が昨年同様に上がってくるかがポイントになるかと思います。
昨年度は、3月31日までに1回でも接種していれば、4月以降に2回目、3回目を接種可能でしたが、今年は3月末までに接種が完了しないと公費助成が効かなくなります(有料になります)。高1相当(15/16歳)のお子さんは9月末までには1回目の接種をしないと標準的接種が間に合わなくなります。そして冬に2回目、3回目の接種の予定となると、インフルエンザなどで接種のタイミングが遅れることもあります。できる限り夏休みが終わる8月末までに1回目の接種をおすすめします。
このワクチンは今のところ一生に2回または3回接種すれば、追加接種は必要ないとされています。そして、基本的に他のワクチンより痛いワクチンです。8−9割の頻度で接種した部位が赤くなったり腫れたりすることがわかっています。なのでできる限り15歳未満で接種開始することで、2回の接種ですむようにされることをおすすめします。接種後の予防接種ストレス関連反応は痛み、恐怖、興奮、不安などから起こります。接種回数が3回から2回になれば可能性が減ります。また一般的にこのストレス反応は10代女子が多めなのですが、10代でも早い時期のほうが少ないとも言われています。なので、できれば小6相当(11/12歳)のときに接種をするのがいいかと思います。
接種するかどうかをまず決めることが大事ですが接種するのであれば、 2種混合(DT)ワクチンと一緒に接種を開始すると1回、クリニックに来る回数を減らせることもあり、おすすめしたいです。
いま話題になっている百日咳の罹患を少しでも下げたいのであれば、有料(当院では5100円)ですが、DTのかわりに3種混合(DPT)のワクチンでの接種をおすすめします。
1歳頃までに接種していた4種混合の効果が6歳くらいから効果が下がってきて、百日咳感染の可能性が高まります。海外では就学前(5〜6歳)と11〜12歳に3種混合の追加接種が行われています。
長くなりましたが、接種の検討をしていただければと幸いです。
下記リンクも参考にされてください。
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について
https://www.kobayashi-kodomo.com/vactination_2/
3種混合ワクチン追加接種について(百日咳関連)