当院の診療方針
・当院では、お子さんの健やかな成長をご両親とともに喜び合いたいと考えております。
ご両親の子育てを尊重しながら、お子さんが健やかに育っていけるようご両親と一緒に考え、一人ひとりにあったきめ細かなアドバイスをおこない、子育て全般のサポートを行って参ります。
・当院では「問診」を大切にしています。
お子さんの病状を正しく判断し、適切な治療をおこなうためには、お子さんの症状に関する正確な情報が欠かせません。
ご両親は、家庭においては一番の看護師さんです。自分の病状を言葉で伝えることのできないお子さんの代弁者です。お子さんが具合の悪いときは、家庭でお子さんの様子をよく観察し、受診の際にはいつからどのような症状があるのか、順序立てて詳しくお知らせください。「こんな些細なこと?」と思われるようなことが病気の発見の手がかりになることもありますので、気になることは遠慮なくお伝えください。
・本来誰もが持っている「治す力」を大切にします。
当院では、感冒などの治療に当たっては、誰もが本来持っている「自ら治す力」を最大限に引き出すことを大切にしています。
熱がでたからすぐ解熱剤、咳が出たから咳止め、鼻水が出たら鼻を止める薬と言うのではなく、熱や咳鼻水は体を病気から守るための反応のひとつでもあります。どんな薬でも副作用が出る可能性はあります。処方薬は必要最小限にとどめ、家庭でのケアを重視して具体的にアドバイスするように努めています。
・適切な治療につなげるため、病状に応じて、小児科のある病院に紹介します。
クリニックでの検査や治療には限界があります。病状に応じてさらに詳しい検査や高度な治療が必要な場合は小児科のある病院にご紹介いたします。
対象となる病気
小児科は、お子さんが健やかに育ってけるようトータルな視点で支援していく科です。お子さんに生じたあらゆる症状に対応いたしますので、困ったことがありましたら、お気軽にご相談ください。
また、小児科は一般的には中学生までのお子さんを対象としますが、高校生になったら「打ち切り」というわけではございません。中学生の3年間に当院受診されているお子さんは高校生まで当院で診療が可能ですのでご安心ください。
もちろん、専門医へのご紹介も承っております。
アレルギー疾患について
最近では生活環境の変化などにより気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患を抱える方が増えています。
その一方、インターネットや口コミなどで、多くの情報が氾濫し、過剰な不安を抱き、不適切な素人判断によりかえって病状を悪化させている方をしばしば散見します。
特に食物アレルギーについては、アレルギーを心配するあまり、素人判断で食物制限をし、離乳食が進まない方も多く見られます。
アレルギー疾患は体質や環境など複数の要因が複雑に関与して発症します。まずは正しい診断に基づく適切な治療が第一です。素人判断せず遠慮なくご相談ください。
アレルギー疾患は、薬物療法だけでなく日常生活のケアが大変重要です。それぞれの方の状況に応じたきめ細かな治療ができるよう支援していきます。
小児気管支喘息について
喘息は、発作性に気道(空気の通り道)が狭くなって喘鳴(ぜーぜー、ヒューヒューいう)や咳、呼吸困難を繰り返す病気です。
遺伝的な体質と環境因子(ダニやホコリなどのアレルゲン、感冒などのウイルス感染、受動喫煙、大気汚染、気候など)の両方が発症や重症化に関係します。
乳幼児の場合は、感冒がきっかけで発症することが多く見られます。
最近では、効果的な薬物が多く承認されており、発作の程度や頻度に応じて治療方法を選択していきます。
内服薬や吸入療法を組み合わせながら、発作のない無症状の状態の維持を目指します。喘息があるから運動ができないと諦める必要はありません。オリンピック選手でも喘息を抱えた選手は多くいます。
アレルギー性鼻炎について
発作性の反復する、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを主な症状とします。
アレルギー性鼻炎には、季節性アレルギー性鼻炎(決まった季節のみ症状が出ます)と通年性アレルギー性鼻炎があります。花粉症は、アレルギー性結膜炎を合併することが多く、スギ花粉などの花粉による季節性アレルギー性鼻炎です。
通年性アレルギー性鼻炎の主な原因は、ハウスダスト、ダニが最も多く、その他イヌやネコなども多く見られます。
最近は低年齢でも花粉症を発症することが多くなりましたが、幼児は扁桃肥大などで鼻づまりを認めることが多く診断が困難なこともあります。
たかが鼻症状と軽く見られがちですが、鼻炎症状があると、副鼻腔炎を合併したり、落ち着きが無くなったり、勉強に集中できないなど長期的な問題も出てきます。詳細な問診や血液検査結果なども参考に、適切に診断・治療することが大切です。
食物アレルギーについて
食物アレルギーとは、食物が原因で免疫学的なしくみによって体にとって不利益な症状が出ることをいいます。
食物アレルギーにはいくつかのタイプがありますが、一般的には即時型(原因食物を摂取後2時間以内、多くは15分以内に症状が現れる)のものをいいます。
症状としては、皮膚症状(じんましん、皮膚が赤くなる)がほとんどの方に見られます。
それ以外には、粘膜症状(目が赤くなる、まぶたがはれるなどの目の症状、鼻汁、くしゃみなど鼻の症状、口の中の違和感、のどのかゆみなど口やのどの症状)、や消化器の症状(腹痛、何度も吐く、下痢など)、呼吸器症状(のどが締め付けられる感じ、咳き込み、ぜーぜー)などの全身症状がありますが、複数の症状が出現し症状が進行していく状態をアナフィラキシーといい、生命の危険を伴うため、速やかな処置が必要になります。
食物アレルギーの治療は、「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物除去」です。
心配だからと言ってむやみに除去するのではなく、詳細な問診により、症状の原因が本当に食物によるものかを診断することが重要です。たとえ検査で陽性であっても、症状が出ないのに除去する必要は全くありません。食物アレルギーがあっても軽度な場合は、症状が誘発されない限り、食べられる範囲は積極的に食べることが大切です。
食物アレルギーに関しては、最近多くの研究が進められ、治療に対する考え方も大きく変化しています。最新の正確な情報を取り入れながら適切な治療・アドバイスをしていきます。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎とは、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみを伴う湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。多くはアトピー素因(アレルギー体質)があり、一般的には6ヶ月以上(乳児では2ヶ月以上)繰り返す場合を言います。
アトピー性皮膚炎も遺伝的な体質に環境的な要因が加わって発症します。
アトピー性皮膚炎の方は皮膚の水分保持機能やバリア機能の低下が指摘されており、このことを踏まえた治療が必要です。
アトピー性皮膚炎の治療は、①ホコリ、汗、食べ物、衣類や掻くことによる物理的刺激、ペットの毛など悪化環境因子を除去し、②保湿剤による毎日のスキンケア ③適切な外用薬による治療の3本柱です。入浴など日常生活のアドバイスや、食物アレルギーが関与するアトピー性皮膚炎の場合の指導など、一人ひとりの病状に応じたきめ細かなアドバイスを行います。
診察に際してお願いしたいこと
必ずお薬手帳をご持参ください |
現在治療中または最近まで治療されていた方は、とくにお願いします。 |
お子さんの病状のわかる方と一緒に受診しましょう |
診察の際には問診をし、いつからどのような症状があったかなどをお聞きします。問診は病気の診断・治療を進めるうえでとても重要です。もし一緒に受診できないときは、代わりの方へ事前にメモをお渡しください。 |
すぐに脱げるような衣服でご来院ください |
診察の際は全身の皮膚なども診ますので、脱着のしやすい衣服が好ましいです。待合室で着替えることも可能ですので、あらかじめご準備をお願いします。 |
診察前の飲食は控えましょう |
診察では口の中やのどを診ますので、診察前にはお菓子など食べ物や飲み物を与えないでください。 |