小学校に入ると集団生活が本格化します。そのこともありMRワクチン（麻疹と風疹）とおたふくかぜワクチンの２回目の接種が定期接種でする必要があります。

この時期に接種しておくとよいワクチンに３種混合ワクチンとポリオワクチンがあります。

任意接種なので有料です。
当院では2024/05/25現在
３種混合ワクチン　　５１００円（税込み）
ポリオワクチン　　　９２００円（税込み）
WEBからは予約は取れませんので、電話での予約のみとなります。

高いなと思われると思いますが、以下の情報も読んでいただき、可能であれば両方、そうでなくても３種混合ワクチンだけでも接種することをお勧めしたいです。

４種混合（３種混合＋ポリオ）の形で２歳前に４回接種しているのですが、３種混合ワクチンに含まれる百日咳の抗体とポリオの抗体が小学生になると低下していることがわかってきました。実際に百日咳にかかるお子さんが小中学生のころに増加することがわかっています。この年齢で百日咳にかかる子のほとんどは４回接種しているお子さんです（小児科学会の資料のリンク（PDF））。百日咳は言葉通り咳が長引く感染症です。そして百日咳の多くは咳が長引いてひどくなってから診断がつきます。そのタイミングで抗菌薬を飲んでも周囲に感染を広げるのは防げるのですが、咳を抑えるのは難しく激しい咳が長く続くことになります。できれば３種混合ワクチンをこの時期にすることで、可能な限り百日咳にかかるのを防いでもらいたいです。
一方　ポリオですがかかると稀にですが麻痺を起こします。小児が多いため小児まひと呼ばれることが多いです。日本では、1981年以降野生株のポリオウイルスによるポリオ患者は報告されていません。ただ、症状を伴わないで感染している例が多いこともあり海外から持ち込まれる可能性があるとは言われています。（ポリオ情報のリンク）

当院では以前から、入学前にMRワクチンとおたふくかぜワクチンを接種にきたお子さんたちに冊子を渡して接種を勧めています。そうすると小学校入学後の場合でも接種したほうがいかと聞かれることがあります。入学前だけに限らず、小学生の間に接種すれば充分効果が期待できるかと思います。
例えば、ワクチンの追加接種をしていなくて、２種混合ワクチンを接種する年齢のお子さんは、２種混合ではなく３種混合ワクチンを接種することもお勧めしたいところです。ただ２種混合ワクチンなら定期接種で無料、３種混合ワクチンは任意接種で有料です。実際悩ましいところだとは思いますが、ご検討ください。