アレルギー疾患について

アレルギー疾患について

最近では生活環境の変化などにより気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患を抱える方が増えています。

その一方、インターネットや口コミなどで、多くの情報が氾濫し、過剰な不安を抱き、不適切な素人判断によりかえって病状を悪化させている方をしばしば散見します。

特に食物アレルギーについては、アレルギーを心配するあまり、素人判断で食物制限をし、離乳食が進まない方も多く見られます。

アレルギー疾患は体質や環境など複数の要因が複雑に関与して発症します。まずは正しい診断に基づく適切な治療が第一です。素人判断せず遠慮なくご相談ください。

アレルギー疾患は、薬物療法だけでなく日常生活のケアが大変重要です。それぞれの方の状況に応じたきめ細かな治療ができるよう支援していきます。

アレルギーに関しては、最近多くの研究が進められ、治療に対する考え方も変化しています。最新の知見を取り入れながら適切な治療・アドバイスをしていきます。

また、必要に応じて、状態が安定している場合オンライン診療で治療を継続することも可能です。

小児気管支喘息について 

喘息は、気道(空気の通り道)の慢性性炎症であり、それに伴う気道過敏性亢進を生じ、発作性に気道が狭くなって(気道狭窄)喘鳴(ぜーぜー、ヒューヒューいう)や咳、呼吸困難を繰り返す病気です。

遺伝的な体質と環境因子(ダニやホコリなどのアレルゲン、感冒などのウイルス感染、受動喫煙、大気汚染、気候など)などが発症や重症化に関係します。

乳幼児の場合は、感冒がきっかけで喘鳴を認めることが多くみられます。

最近では、効果的な薬物が多くあり、以前と比べ有病率、入院率ともに低くなっています。発作の程度や頻度に応じて治療方法を選択していきます。

内服薬や吸入療法を組み合わせながら、発作のない無症状の状態の維持を目指します。喘息があるから運動ができないと諦める必要はありません。オリンピック選手でも喘息を抱えた選手は多くいます。

ダニによるアレルギー性鼻炎があるお子さんの場合、舌下免疫療法をすることで鼻炎症状だけでなく喘息症状が改善することもあります。

舌下免疫療法については【こちら】

アレルギー性鼻炎について (花粉症)

発作性の反復する、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを主な症状とします。

アレルギー性鼻炎には、季節性アレルギー性鼻炎(決まった季節のみ症状が出ます)と通年性アレルギー性鼻炎があります。花粉症は、アレルギー性結膜炎を合併することが多く、スギ花粉などの花粉による季節性アレルギー性鼻炎です。

通年性アレルギー性鼻炎の主な原因は、ハウスダスト、ダニが最も多く、その他イヌやネコなども多く見られます。

最近は低年齢でも花粉症を発症することが多くなりましたが、幼児は扁桃肥大などで鼻づまりを認めることが多く診断が困難なこともあります。

たかが鼻症状と軽く見られがちですが、鼻炎症状があると、副鼻腔炎を合併したり、落ち着きが無くなったり、勉強に集中できないなど長期的な問題も出てきます。詳細な問診や血液検査結果なども参考に、適切に診断・治療することが大切です。

スギとダニのアレルギーについては、舌下免疫療法でアレルギー症状を和らげたり体質を改善したりすることもできます。

舌下免疫療法については「こちら」

食物アレルギーについて 

食物アレルギーとは、食物が原因で免疫学的なしくみによって体にとって不利益な症状が出ることをいいます。

食物アレルギーにはいくつかのタイプがありますが、一般的には即時型(原因食物を摂取後2時間以内、多くは15分以内に症状が現れる)のものをいいます。

症状としては、皮膚症状(じんましん、皮膚が赤くなる)がほとんどの方に見られます。

それ以外には、粘膜症状(目が赤くなる、まぶたがはれるなどの目の症状、鼻汁、くしゃみなど鼻の症状、口の中の違和感、のどのかゆみなど口やのどの症状)、や消化器の症状(腹痛、何度も吐く、下痢など)、呼吸器症状(のどが締め付けられる感じ、咳き込み、ぜーぜー)などの全身症状がありますが、複数の症状が出現し症状が進行していく状態をアナフィラキシーといい、生命の危険を伴うため、速やかな処置が必要になります。

 

食物アレルギーの治療は、「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物除去」です。

 

心配だからと言ってむやみに除去するのではなく、詳細な問診により、症状の原因が本当に食物によるものかを診断することが重要です。たとえ検査で陽性であっても、症状が出ないなら除去する必要はありません。食物アレルギーがあっても軽度な場合は、症状が誘発されない量を確認し(食物負荷試験)、安全に摂取できる範囲で取り入れながら、段階的にその量を増やして耐性獲得を目指していくこともあります。

アトピー性皮膚炎について 

アトピー性皮膚炎とは、悪くなったり(増悪)良くなったり(寛解)繰り返す、かゆみ(掻痒)を伴う湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。多くはアトピー素因(アレルギー体質)があり、一般的には6ヶ月以上(乳児では2ヶ月以上)繰り返す場合を言います。

アトピー性皮膚炎も遺伝的な体質に環境的な要因が加わって発症します。

 

アトピー性皮膚炎の方は皮膚の水分保持機能やバリア機能の低下が指摘されており、このことを踏まえた治療が必要です。外からの刺激が入りやすいために皮膚に炎症(赤くなる)がおきます。その炎症により、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、掻痒を感じやすい状態となっています。そして痒さで皮膚をひっかいてしまうので、バリア機能が下がるという悪循環になりやすいです。

 

アトピー性皮膚炎の治療の目標①症状がない、または、症状がないかあっても軽微、②日常生活に支障がない、③薬物療法もあまり必要ない

 

アトピー性皮膚炎の治療は、①環境整備(環境中の悪化因子をみつけ、可能な限り取り除くこと)、②スキンケア ③炎症を抑える外用薬、が3本柱です。

 

炎症をとる外用薬の種類

・ステロイド外用薬(基本の薬になります)

・ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬(3か月以上)

・ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬(6か月以上)

・タクロリムス水和物軟膏(2歳以上)

・タピナロフ(12歳以上)

 

塗り薬でコントルールがつかない重症例の場合、経口薬注射剤での治療もあります。

(その際は高次医療機関に紹介させていただいています)

 

入浴など日常生活のアドバイスや、食物アレルギーが関与するアトピー性皮膚炎の場合の指導など、一人ひとりの病状に応じたきめ細かなアドバイスを行います。

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