●経鼻ワクチン(フルミスト)注意点
2024年から日本で認可となった経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト)です。
日本、アメリカ、EUなどで微妙に接種基準が異なることもあり、インフルエンザ経鼻ワクチン、フルミストなどと検索をかけて調べると、書かれている内容に差異があり戸惑う方もいらっしゃると思います。
最初に第一三共が提供している フルミスト点鼻液を接種される方・保護者の方へ を読まれることをお勧めします。
そのうえで、下記を読むと疑問点のいくつかは解決するかと思います。それでも解決しない場合は、実際に接種する医療機関にご相談されるといいかと思います。
ここに記載してある情報は、第一三共や厚労省のワクチン分科会などの情報をもとに書いていますが、認識に間違いがあった際には適宜更新していきますのでご了承下さい。
1.接種対象について
日本は、2~18歳です。EUは2~17歳まで、アメリカは2~49歳です。なので個人輸入のワクチンを使われるクリニックの説明では2~49歳と書かれているケースが多いかと思います。
2.ほかのワクチンとの接種間隔について
4週間以内に「生ワクチン」を接種している人は接種できないと書かれているケースがあるかと思います。フルミストも生ワクチンだからの記載なのですが、第一三共が提供するフルミストは同じ生ワクチンですが、他のワクチンとの接種間隔は気にしなくてよいことになっています。日本の規定では、注射の生ワクチンの場合間隔を4週間開ける必要があるのですが、フルミストは経鼻生ワクチンなので不要となっています。これは経口生ワクチンであるロタのワクチンと同じ位置づけになります。
3.接種回数について
日本ではどの年齢も1回のみの接種となります。ただし、個人輸入のワクチンの説明では、アメリカの基準の通り2歳から8歳までの小児で、「これまでにインフルエンザに感染したことがない」、あるいは、「これまでにインフルエンザワクチンを接種したことがない」場合は2回接種を勧めると書かれていると思われます。
日本での臨床試験では1回で十分だったため1回と設定されています。
ただし、当院では過去にインフルエンザワクチンの接種歴があるお子さんのみを予約対象とさせていただきます。
4.喘息の治療中の方は治療ができないのか
5歳未満で喘息の治療を行っている人は接種ができないと書かれているのも、アメリカの基準です。日本での臨床試験では問題がなかったと判断されているため、治療中の方も接種可能です。
ただし、当院では接種当日や前日に喘息発作を起こしていた場合には接種を見合わせていただく予定です。
5.接種後1-2週間は重度の免疫不全者との密接な接触は避けたほうがいいのか
これは生ワクチンなので、日本でも避けたほうが良いとなっています。重度というのが難しい判断なのですが、たとえば家族に免疫不全の方がいらっしゃる場合は避けたほうが良いと思います。
従来型の注射のワクチンであればこの心配はありません。
6.ワクチンが理由でインフルエンザが発症することはあるのか
ほかの生ワクチンもですが軽くかかることで免疫がつくので、頻度は高くないですが発症することはあります。日本での臨床試験では、11/608(1.8%)でワクチン由来のインフルエンザを発症しています。重症化はしていませんが2週間程度まで症状が続いた例もあるそうです。
従来型の注射のワクチンであればこの心配はありません。
7.ワクチン接種2週間以内に、抗インフルエンザ薬を使用した場合にワクチンの効果はあるのか。
第一三共に電話で確認しましたが、これは答えがないそうです。接種後2週間以内にインフルエンザにかかり抗インフルエンザ薬を使用した際にワクチンの効果が得られるかのデータはありません。ワクチンの効果はあまり期待できないので再度接種したほうがいいかもとの報告があるそうですが根拠は明示されていないそうです。ただ実際に2回目を接種していいのかの判断は難しいと思われます。
従来型の注射のワクチンであればこの心配はありません。
8.効果は従来型のワクチンより高く、効果は1年続くのか
理論的には効果が高くなることが期待できるのですが、海外での市販後調査で、限られた株での評価のみですが、有効性に明らかな差はないとされています。
また、検索をかけると多くのホームページで1年近く効果が続くと書いてあるのですが、その根拠となる文献がなかなか見つからなかったこともあり、第一三共に直接確認したところ明確なデータはないそうですが、以下のデータを教えていただきました。海外のデータで、生後6か月~35か月のお子さんに2回接種した場合に接種後1年以上経過した段階でも予防効果が期待できる状態を維持できていたというデータがあるそうです。ただ、年齢的にも接種回数的も違うので参考程度とのことでした。もしかしたらほかの根拠があるのかもしれません。
おそらく、従来型のワクチンよりは長く効果が持続することが期待できると思われますが、どの程度かは不明です。個人的には近年流行時期・期間が読みにくくなっていることと、接種後2週間以内のインフルエンザ罹患を避けるためにも、10月中に接種するのがいいのかなと考えています。第一三共は、主な流行期間は12月~3月で、ピークは1月~2月に迎えることが多いので、12月中旬までの接種完了を勧めています。
2024年
小児科学会のホームページ上に、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方 というものが2024年9月2日に出ていました。これも一度は目を通されることをお勧めします。
2025年
2024年の日本での市販直後調査結果が製薬会社から出ました。
推定被接種者数:332,920人
主な副反応は、鼻漏1074件、発熱753件、咳嗽581件、鼻閉527件、口腔咽頭痛247件、頭痛235件、イン
フルエンザ144件でした。このうち重篤な副反応は18例36件であり、死亡に至った副反応はありませんで
した。つまり、発熱は0.2%、インフルエンザは0.04%に認められています。
事前のワクチン由来のインフルエンザ発症が1.8%とされていたことを考えると、去年は低かったです。
その他、詳しくは以下のリンクで確認してください。





















