経鼻インフルエンザワクチンについて

2024年から日本で使えるようになった経鼻のインフルエンザワクチン(フルミスト)の予約となります。

9月17日(火)から予約開始です。10月3日(木)から接種開始です。

まずこのワクチンは日本では今年から使用されるワクチンですが、アメリカでは2003年から使われていています。日本で使われるのも第一三共がライセンス契約して販売するものです。

メリットは

1回の接種でよい

注射ではない

鼻への噴霧2回で終わる

 となります。

これだけをみると接種を希望される方も多いと思いますが、注意点も多いワクチンですので、そのあたりも理解の上で予約をお願いいたします。

経鼻インフルエンザワクチンについての注意点

2024年から日本で使えるようになった経鼻のインフルエンザワクチン(フルミスト)の予約となります。

このワクチンは去年までも一部のクリニックで、個人輸入されて使われていました。

今年から日本で認可となった第一三共から発売となる経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト)は同じものをライセンス契約して日本で販売となりました。

同じものなのですが、日本、アメリカ、EUなどで微妙に接種基準が異なることもあり、インフルエンザ経鼻ワクチン、フルミストなどと検索をかけて調べると、書かれている内容に差異があり戸惑う方もいらっしゃると思います。

 最初に第一三共が提供している フルミスト点鼻液を接種される方・保護者の方へ を読まれることをお勧めします。

https://www.kobayashi-kodomo.com/asset/485175_3.pdf

 

そのうえで、下記を読むと疑問点のいくつかは解決するかと思います。それでも解決しない場合は、実際に接種する医療機関にご相談されるといいかと思います。

ここに記載してある情報は、第一三共や厚労省のワクチン分科会などの情報をもとに書いていますが、認識に間違いがあった際には適宜更新していきますのでご了承下さい。

 

1.接種対象について

 日本は、2~18歳ですEUは2~17歳まで、アメリカは2~49歳です。なので個人輸入のワクチンを使われるクリニックの説明では2~49歳と書かれているケースが多いかと思います。

2.ほかのワクチンとの接種間隔について

 4週間以内に「生ワクチン」を接種している人は接種できないと書かれているケースがあるかと思います。フルミストも生ワクチンだからの記載なのですが、第一三共が提供するフルミストは同じ生ワクチンですが、他のワクチンとの接種間隔は気にしなくてよいことになっています。日本の規定では、注射の生ワクチンの場合間隔を4週間開ける必要があるのですが、フルミストは経鼻生ワクチンなので不要となっています。これは経口生ワクチンであるロタのワクチンと同じ位置づけになります。

3.接種回数について

 日本ではどの年齢も1回のみの接種となります。ただし、個人輸入のワクチンの説明では、アメリカの基準の通り2歳から8歳までの小児で、「これまでにインフルエンザに感染したことがない」、あるいは、「これまでにインフルエンザワクチンを接種したことがない」場合は2回接種を勧めると書かれていると思われます。

日本での臨床試験では1回で十分だったため1回が正しいです。

ただし、当院では過去にインフルエンザワクチンの接種歴があるお子さんのみを予約対象とさせていただきます。

4.喘息の治療中の方は治療ができないのか

5歳未満で喘息の治療を行っている人は接種ができないと書かれているのも、アメリカの基準です。日本での臨床試験では問題がなかったと判断されているため、治療中の方も接種可能です。

ただし、当院では接種当日や前日に喘息発作を起こしていた場合には接種を見合していただく予定です。

5.接種後1-2週間は重度の免疫不全者との密接な接触は避けたほうがいいのか

 これは生ワクチンなので、日本でも避けたほうが良いとなっています。重度というのが難しい判断なのですが、たとえば家族に免疫不全の方がいらっしゃる場合は避けたほうが良いと思います。

 従来型の注射のワクチンであればこの心配はありません。

6.ワクチンが理由でインフルエンザが発症することはあるのか

  ほかの生ワクチンもですが軽くかかることで免疫がつくので、頻度は高くないですが発症することはあります。日本での臨床試験では、11/608(1.8%)でワクチン由来のインフルエンザを発症しています。重症化はしていませんが2週間程度まで症状が続いた例もあるそうです。

  従来型の注射のワクチンであればこの心配はありません。

7.ワクチン接種2週間以内に、抗インフルエンザ薬を使用した場合にワクチンの効果はあるのか。

 第一三共に電話で確認しましたが、これは答えがないそうです。接種後2週間以内にインフルエンザにかかり抗インフルエンザ薬を使用した際にワクチンの効果が得られるかのデータはありません。ワクチンの効果はあまり期待できないので再度接種したほうがいいかもとの報告があるそうですが根拠は明示されていないそうです。ただ実際に2回目を接種していいのかの判断は難しいと思われます。

  従来型の注射のワクチンであればこの心配はありません。

8.効果は従来型のワクチンより高く、効果は1年続くのか

 理論的には効果が高くなることが期待できるのですが、海外での市販後調査で、限られた株での評価のみですが、有効性に明らかな差はないとされています。

 また、検索をかけると多くのホームページで1年近く効果が続くと書いてあるのですが、その根拠となる文献がなかなか見つからなかったこともあり、第一三共に直接確認したところ明確なデータはないそうですが、以下のデータを教えていただきました。海外のデータで、生後6か月~35か月のお子さんに2回接種した場合に接種後1年以上経過した段階でも予防効果が期待できる状態を維持できていたというデータがあるそうです。ただ、年齢的にも接種回数的も違うので参考程度とのことでした。もしかしたらほかの根拠があるのかもしれません。

おそらく、従来型のワクチンよりは長く効果が持続することが期待できると思われますが、どの程度かは不明です。個人的には近年流行時期・期間が読みにくくなっていることと、接種後2週間以内のインフルエンザ罹患を避けるためにも、10月中に接種してもいいのかなと考えています。第一三共は、主な流行期間は12月~3月で、ピークは1月~2月に迎えることが多いので、12月中旬までの接種完了を勧めています。

 

9月13日追加

小児科学会のホームページ上に、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方 というものが2024年9月2日に出ていました。これも一度は目を通されることをお勧めします。

https://www.kobayashi-kodomo.com/asset/20240909_keibi_i_vaccine.pdf

対象年齢・接種方法について

経鼻のインフルエンザワクチン(フルミスト)になります。

2~18歳のお子さん

接種回数は1回

このワクチンは生ワクチンですが経鼻での接種ですので、ほかのワクチンとの間隔は考えなくて大丈夫です。

例えば前日にMRワクチンなどの生ワクチンを接種していても接種可能です。

 

当院独自のルールとなりますが、

過去にインフルエンザワクチンの接種歴があるお子さんのみとさせていただきます。

母子手帳で確認させていただきます。お忘れの場合は、口頭での確認になります。

また経鼻インフルエンザワクチンとほかのワクチンとの同時接種はしていません。

キャンセルは不可とさせていただきます。変更は可能です。

 

接種ができない人は

1.妊婦さん

2.免疫不全と診断されているかた、もしくは、ワクチン接種後2週間以内に免疫不全の方と接触のありうる方

(生ワクチンなのでワクチン接種して、周囲の人に感染する可能性は否定できないため)

3.卵やゼラチンのアレルギーでアナフィラキシーを起こしたことがある方

(卵アレルギーがあっても、過去にインフルエンザワクチン接種歴のある方は接種可能と考えてください)

4.接種当日に、37.5℃以上の発熱のある方、ぜんそく発作を起こしている方

費用・接種時間について

経鼻のインフルエンザワクチン(フルミスト)になります。

費用:1回につき 8500円(税込み)

接種日:通常の診療時間内

 

 

WEB予約とWEB予診票について

 経鼻のインフルエンザワクチン(フルミスト)になります。

ご予約は携帯やパソコンなどからのネット予約のみです。お電話での予約はできません。下記の予約サイトのタブからアクセスして、説明をよくお読みの上、ご予約ください。接種希望日の前日まで予約が可能です。

最初の予定では電話での予約のみとする予定でしたが、WEB予約のみとしました。

キャンセルが不可ですのでご注意ください(変更は可能です)

注意点

1人ずつしか予約が取れません。

当院では経鼻インフルエンザワクチンとほかのワクチンとの同時接種はしていません。

予防接種履歴の管理をすることで誤接種をさけるため、1人ずつの予約となります。

予防接種履歴を事前に入力しておいていただけると予約時の手間は減ります

以下のリンクでやり方の確認をお願いします。

https://www.kobayashi-kodomo.com/systemchange_1/

ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

クリニックとしては、接種履歴を入れていただくことをお願いしたいところですが、インフルエンザワクチンだけを当院で接種している方もいらっしゃるかと思います。その場合、面倒であれば接種履歴を入力しないで先に進んでも大きな問題は起きにくいかと思います。ただし、今シーズン1回目を接種しているかどうか(接種予定日でも)をいれていただかないと2回目の予約画面は現れません。

 

実際の予約画面をみながら注意点を確認できるようにしました。

予約前に確認していただけると幸いです。

 https://www.kobayashi-kodomo.com/flu_4/

*予約は9月17日(火)以降できます。

*経鼻のインフルエンザワクチンの予約(フルミスト)です。

*インフルエンザワクチン予約画面には通常のワクチンとフルミストの2つが表示されますので、フルミストを選択してください。

 

クリニック内の密を防ぐため、WEB予診票を利用してください。

予約サイトで予約を取ると予約時と接種前日にメールが届きます。予診票登録は接種日の前日18時から当日来院1時間前までにお願いします。登録遅れは、接種順番の遅れ、待ち時間の増加につながります。

予診票作成時と当日クリニック内で検温していただきます。当日非接触型体温計による検温で最終的に接種可能か判断します。

経鼻のインフルエンザワクチンWEB予診票は下記をご利用ください(ワクチン予約が別途必要です)。

*予診票署名は保護者の名前でお願いします。

*前日に予診票を作成する際は、予診票の日にちは接種日に指定してください。

*経鼻のインフルエンザワクチンのWEB問診(フルミスト)です。

 

その他

・接種の際は必ず母子手帳をご持参ください。

・卵アレルギーのある場合、過去に接種できている方は接種可能ですが、初めて接種される方については、かかりつけ医でご相談のうえ、かかりつけ医で接種してください。当院にかかりつけの方に限り、事前にご相談のうえ接種します。

・診療時間内の人数枠は日程によって異なります。ご希望通りの日程で接種できないことがありますので、早めにご予約頂くようお願いいたします。

・感冒等の症状のある方については、診療の結果によっては接種できないこともあります。

ご不明な点がありましたらスタッフにお尋ねください。

ご予約・ご相談はお気軽に

お一人で悩まず、些細なことでもどうぞ当クリニックまでお気軽にご相談ください

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